2026年5月21日にProxmox VE 9.2 がリリースされました。
Proxmox VE 9.2では、多くの機能改善・バグ修正・新機能追加が行われています。
本記事では重要な新機能や変更点をご紹介します。
Proxmox Virtual Environment 9.2 available!
Dynamic Load Balancer の追加
クラスタ内のリソース利用状況をもとに、ゲストの配置を最適化する Dynamic Load Balancer が追加されました。
新しい Dynamic モードでは、Cluster Resource Scheduler(CRS)がノードやゲストのリソース使用状況を考慮して配置判断を行います。
HA管理下のゲストについては、クラスタ内の偏りを軽減するために自動的なマイグレーションを行うことが可能です。
また、既存のHAルールを尊重しながら動作するため、意図しない配置変更を抑制しつつ、クラスタ全体のリソース利用率向上が期待できます。
GUI上は「データセンター」-「オプション」-「クラスタリソースのスケジューリング」から設定可能です。

SDN機能の拡張
SDN機能が拡張され、WireGuardが新しいファブリックプロトコルとして追加されました。
これにより、Proxmox VE上でより柔軟なネットワーク構成を行うことが可能になります。
また、BGP/EVPNにおいて route map や prefix list がサポートされ、経路再配布に対してより細かな制御を行えるようになりました。
OSPFファブリックでの経路再配布、EVPNコントローラの追加オプション、EVPNでのIPv6 underlayサポートなども追加されています。
大規模なクラスタ環境や、複雑なネットワーク設計が必要となる環境で有効な機能追加です。

カスタムCPUモデルのGUI管理
カスタムCPUモデルをWeb GUIから管理できるようになりました。
Datacenter配下からカスタムCPUプロファイルの作成、編集、削除が可能となり、VMに公開するCPU機能をより簡単に調整できます。
また、CPU flags selector により、クラスタ内の各ノードでサポートされているCPUフラグを確認できます。
これにより、VMのマイグレーション時に発生し得るCPU互換性の問題を、設定段階で把握しやすくなりました。
GUI上は「データセンター」-「Custom CPU Models」から編集可能です。

HA Arm(有効化) / Disarm(無効化) 機能の追加
HA Managerをクラスタ全体で一時的に無効化・有効化する Arm / Disarm 機能が追加されました。
計画メンテナンス時にHAスタックを一時停止することで、意図しないフェンシングやHAリソースの移動を防ぐことができます。
Disarm中もHAリソースの状態は保持されるため、メンテナンス完了後にArmすることで、以前の状態や配置に戻すことが可能です。
クラスタ全体のメンテナンスを行う際に、非常に有用な機能追加です。

UEFI 2023証明書の登録サポート
MicrosoftおよびWindows UEFI 2023証明書の登録が、GUIおよびAPIから行えるようになりました。
Secure Bootを利用するWindows VM環境では、証明書の管理が必要となるケースがあります。
今回GUI/APIでの登録に対応したことにより、運用時の作業負荷軽減が期待できます。

ベースコンポーネントの更新
Proxmox VE 9.2 は Debian 13.5 “Trixie” をベースとしており、proxmox-kernel-7.0 が新しい安定版カーネルとして採用されています。
また、QEMU 11.0、LXC 7.0、ZFS 2.4 など、主要コンポーネントも更新されています。
ストレージ機能では、Ceph Tentacle 20.2.1 が新しいデフォルトの安定版として提供され、Ceph Squid 19.2.3 も引き続き利用可能です。
また、Ceph Squid 19.2.3 は EoLが2026/9/19ですので、計画的なアップデートをご検討ください。
Cephのライフサイクルについては以下もご参照ください。
ProxmoxにおけるCephのライフサイクルについて
Proxmox VE 9.2 で追加・変更された機能の設定方法や、移行手順など、随時公開していきますのでお待ちください。
