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2025,08,12

  • PROXMOX VE

Proxmox VE 8.0から9.0へのHAクラスタアップデート手順

本記事では、HAクラスタとして構築されたProxmox VE 8.0 を 9.0 にアップデートする手順をご紹介します。

HAクラスタ環境のProxmox VE を8.0から9.0にアップデグレードする際は、一般的にローリングアップデートを行います。
本手順は公式の以下手順および、弊社での評価を元に作成しています。

PVE Wiki:Upgrade from 8 to 9

アップデート前の注意事項

Proxmox VE 9.0 は2025年8月6日にリリースされました。

リリース直後はDebian 13、Proxmox VE 9.0 どちらも動作が不安定な可能性があります。
Proxmox VEをインストールするハードウェアや周辺環境に依存する問題もあるため、可能な限り検証環境での評価後に本番環境への適用を推奨しております。
また、Proxmox VE 8.0のEOLは2026年8月となりますので、約1年間での適用計画をご検討ください。

事前準備

- コンソール接続、あるいはSSH接続可能な作業環境の準備。
※GUIの仮想コンソールでの作業は非推奨です。

- 各ノードのルートパーティションに5GB以上(推奨10GB)の空き容量があることを確認。
- VM/CTのバックアップを取得。
※クラスタのHA機能によりマイグレーションされるため必須ではありませんが、推奨しています。

- 設定ファイルのバックアップ:
※クラスタから必要な設定は同期されるため必須ではありませんが、推奨しています。

tar czvf /root/pve-config-backup.tar.gz /etc/pve /etc

- すべてのノードをPVE 8.4.1以上にアップデート。
- Cephを使用している場合、Ceph Squid 19.2以上にアップデート。
- HAクラスタが正常であることを確認。

チェックスクリプトによる確認

- 各ノードで pve8to9 チェックスクリプトを実行し、問題を修正。

pve8to9 --full

※警告、エラーについては多岐にわたります。特にWARNについては出力しても問題ないものや、アップデート作業中に一時的に発生する(クラスタ内の一部ノードだけをアップデートした状態など)ものなどもあります。ご不明点等ございましたら、お問い合わせください。

メンテナンスモードによるVM/CTのマイグレーション

メンテナンスモード以外のマイグレーション方法もありますが、HAクラスタの場合はメンテナンスモード利用がHA設定の変更が必要なく便利です。
コマンドを実行するノードはメンテナンスモード対象のノードである必要はありません。target-nodeにアップデート対象ノード名を指定します。

ha-manager crm-command node-maintenance enable target-node

リポジトリの更新

Debian、Proxmox VE、Ceph(Ceph利用中の場合のみ)の各リポジトリを更新します。
Enterpriseリポジトリを利用している想定です。
Proxmox VE、Cephは .list形式、.sources形式どちらかのみ設定する必要があります。両方の形式を設定している場合は設定重複のエラーとなるため、注意が必要です。
また、どちらの形式で設定しても動作に影響はなく、アップデートごとの作業時に.sources形式に統合されます。

Debian

sed -i 's/bookworm/trixie/g' /etc/apt/sources.list

Proxmox VE(.list形式)

sed -i 's/bookworm/trixie/g' /etc/apt/sources.list.d/pve-enterprise.list

Proxmox VE(.sources形式)

cat > /etc/apt/sources.list.d/pve-enterprise.sources << EOF
Types: deb
URIs: https://enterprise.proxmox.com/debian/pve
Suites: trixie
Components: pve-enterprise
Signed-By: /usr/share/keyrings/proxmox-archive-keyring.gpg
EOF

Ceph(.list形式)

sed -i 's/bookworm/trixie/g' /etc/apt/sources.list.d/ceph.list

Proxmox VE(.sources形式)

cat > /etc/apt/sources.list.d/ceph.sources << EOF
Types: deb
URIs: https://enterprise.proxmox.com/debian/ceph-squid
Suites: trixie
Components: enterprise
Signed-By: /usr/share/keyrings/proxmox-archive-keyring.gpg
EOF

アップデートの実行

  apt update
  apt policy
  apt dist-upgrade

Changelog

以下のようにパッケージの変更点(chagelog)が表示されます。
プロンプト(:)に q を選択して先に進みます。

apt-listchanges: News
---------------------

openssh (1:10.0p1-1) unstable; urgency=medium

  OpenSSH 10.0p1 includes a number of changes that may affect existing
  configurations:

   * This release removes support for the weak DSA signature algorithm,
     completing the deprecation process that began in 2015 (when DSA was
     disabled by default) and repeatedly warned over the last 12 months.

(以下略)
:q

言語の選択

デフォルトで日本語が選択されているため、Enterを押下して先に進みます。

設定ファイルの置き換え確認(issue、LVM)

issue、LVMについて、新しい設定ファイルに置き換えするかの確認が表示されます。
独自に変更している場合以外はissueについてはN、LVMについてはYを選択し先に進みます。

Configuration file '/etc/issue'
 ==> Modified (by you or by a script) since installation.
 ==> Package distributor has shipped an updated version.
   What would you like to do about it ?  Your options are:
    Y or I  : install the package maintainer's version
    N or O  : keep your currently-installed version
      D     : show the differences between the versions
      Z     : start a shell to examine the situation
 The default action is to keep your current version.
*** issue (Y/I/N/O/D/Z) [default=N] ?

サービス再起動の確認

サービス再起動の自動化、再起動対象のサービスの確認が表示されます。
独自に変更している場合以外はデフォルトでEnterを押下して先に進みます。

ノード再起動

アップデートが完了後、一度ノード再起動を行います。

アップデート後のバージョン確認

GUIではブラウザキャッシュをクリア後に接続し、確認します。
またCLIからは以下コマンドで確認します。

pveversion -v

リポジトリソースの最新化(.sources形式)

リポジトリのリソースファイルを新しい形式である .sources形式(手順の便宜上、左記のように記載していますが、正しくはdeb822形式)に変更を行います。
Proxmox VE 9.0 以降ではGUI上でリポジトリを修正した場合にこちらの形式が利用されるため、実行することを推奨します。

apt modernize-sources

メンテナンスモードの無効化、リソースの正常性確認

以下コマンドにて、メンテナンスモードを無効化します。
自動的にリソースのマイグレーションが行われるため、アップデートしたノード上でのリソース正常性確認を実施します。

ha-manager crm-command node-maintenance disable target-node

これらの手順を各ノードに対して繰り返し実施します。
以上で本手順は終了です。


株式会社クラスアクトは2023年2月にリセラーパートナー契約を締結して以来、日本初の Gold Reseller Partnerとして、豊富な経験と高い技術力を誇っております。 Proxmoxに関するご質問、サブスクリプションのご購入、システム開発のご相談など、お気軽にお声がけください。

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