Proxmox環境におけるJournalctl
はじめに
本記事では、次世代ログ管理ツールであるsystemd-journaldと、それを利用するjournalctlの基本機能、およびProxmox環境での具体的な活用法を紹介いたします。
Journalctlとは
journalctlは、systemd-journaldが収集したログを表示し、フィルタリングするためのコマンドラインツールです。従来のsyslogに代わるバイナリ形式のログ管理を提供し、検索性やデータの整合性を大幅に向上させています。
なぜJournalctlなのか
Proxmoxのデフォルト設定では、rsyslogが動作しておらず/var/log/messagesなどのログファイルが存在しないため、システムログの確認にはjournalctlを使用する必要があります。
Proxmoxの運用においては、ログの効果的な管理と解析が求められ、そのためにjournalctlの利用は必須となっています。
Journalctlの基本的な利用方法
Journalctlの基本的な利用方法についていくつか説明します。
まず、オプションを指定せずに実行すると、全ログを古いものから順にページャで表示します。
journalctl
特定サービスのログを表示する場合には、-u を指定します。
journalctl -u <サービス名>
Proxmox VEにおける主要なサービス一覧は以下になります。
サービス名 | 説明 |
---|---|
pmxcfs | クラスタファイルシステム管理 |
pve-firewall | ファイアウォール管理 |
pve-ha-crm | HAリソースマネージャ |
pve-ha-lrm | ローカルHAリソース管理 |
pvedaemon | デーモン管理 |
pveproxy | HTTPプロキシ |
pvescheduler | 定期タスクの自動管理 |
pvestatd | ステータスデータ収集 |
qmeventd | 仮想マシンイベント処理デーモン |
spiceproxy | リモートデスクトップ接続プロキシ |
日時の範囲を指定するには--since 'YYYY-MM-DD' --until 'YYYY-MM-DD'を指定します。
journalctl --since 'YYYY-MM-DD' --until 'YYYY-MM-DD'
ログのリアルタイムの監視を行うには-fを指定します。
journalctl -f
サポート問い合わせ時のJournalctlの取得
サポートに問い合わせの際に、システムレポートと合わせてJournalctlによるログも併せて必要になるケースがあります。
そのため、問い合わせ時は以下のログ取得するようお願いしています。
journalctl --since 'YYYY-MM-DD' --until 'YYYY-MM-DD' | gzip > $(hostname)-journal.txt.gz
まとめ
Proxmox VEにおけるjournalctlの活用は、システム全体のパフォーマンス向上とセキュリティ強化に直結する重要な手段です。ログを効果的に管理・分析することで、システムの安定性を保ち、トラブルシューティングを迅速化します。
journalctlを日常的に活用することで、安定したProxmox VEの運用を実現しましょう。
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