パブリッククラウドDaaSシステムのネットワーク基盤構築

【案件概要】
パブリッククラウドDaaSシステムのネットワーク基盤構築
【サマリー】
政府が推進する働き方改革のひとつであるテレワークや、PCの紛失や盗難による情報漏えい等のセキュリティ対策で需要があるパブリッククラウドDaaSサービスの提供。WAN回線や運用保守などの費用面を考慮し、オンプレミスとクラウドサービスを併用するネットワーク基盤。プラットフォームに合わせた適切なネットワーク設計とビジネスプランに基づく、段階的なキャパシティ管理。
【予算感とスケジュール】
要件定義~運用引き継ぎ/12人月、4か月間
【エンジニアスキル】
要件定義、基本設計、詳細設計、運用設計
 ※CCNP、ネットワークスペシャリスト

 

本プロジェクトは初期構築のため、サンプルとなる資料がなく、要件定義や前提条件をまとめることがとても重要な案件であった。

ネットワーク担当としては、ビジネスプランに基づく所要計画をたて、初期投資で構築する規模を決定するのに苦労していた。仮想デスクトップ1台あたりに必要な帯域、物理サーバ1台に必要な帯域、各種サーバに必要な帯域、クラウド内の見えない帯域、ユーザの使い方次第で変わる通信量など、数字にできないサイジングなども問題が多く、難易度が増していた。ネットワーク機器のリソースも含め、他チームから得た情報を基に、多少余裕を持った見込みを前提条件に落とし込み、プロジェクトとしての決定事項にするよう進めることにした。

 

また、クラウドサービス環境を構築する上で複数ユーザが同筐体を利用するため、セキュリティの考慮がとても重要である。仮想NWにより論理的に分割すれば互いの通信に影響を与えることはないが、不必要なサービスポートを空けておくことは機器の負荷や不正アクセスへとつながるため、可能な限り不要なサービスポートは閉じることとした。問題は筐体全体への設定となるため、運用時に利用するサービスポートも利用できなくなってしまうことだったが、機器へのアクセス方法としてリモートとコンソールサーバ経由の接続を準備していたことが功を奏し、運用時の例外とするのみで対処した。

 

そして、プロジェクト全体が、初見の設計構築であることや、機器の納期が遅れていたこともあり、全体的にスケジュールが押してきていた。要件定義は、ネットワーク機器の納期に合わせたスケジュールを組みことで問題なかったが、アプリ、サーバーチームの結合試験時にはネットワーク基盤を用意する必要がある。短期間での構築、評価が求められることとなったが、過去の経験を生かし、効率化を図ることにより、この問題に対して即座に対応することが出来た。
これが他ベンダーとの共同で作業を行う場合、どうしても役責の見直しや調整などで、大幅な時間が必要だったであろうことを考えると、自社のサポート能力と技術力に感謝を覚えた瞬間であった。

本プロジェクトでは、工程ごとに存在するエンジニアとの連携(コミュニケーション)の重要性と、自社のトータルサポートが、プロジェクトとお客様に大きな安心感を生むということ、技術力の大切さを実感した。
これからも、お客様に安心を与えていけるよう、技術力を向上していきたいとプロジェクトチームの皆で誓った瞬間だった。

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